不動産投資を検討する際にはいろんな視点から検討していかなければいけないのは当たり前です。そしてそこには見落としてはいけない点がいくつかあります。それらは見落としてはいけないと言うよりは、あえて表に出されていないこともあります。
そこで今回は不動産投資の利回りやキャッシュフローについて書いていきたいと思います。
不動産投資の利回りとキャッシュフローについて
不動産投資の広告等を見ているとよく目にするのは利回りという言葉です。利回りとは簡単に言えば、購入金額や建設費に対してどれぐらいの収入があがるのかという数値で、異常な低金利が続く現在においては一般的に投資家が喰いつきやすい項目です。例えばこの物件は利回り12.5%と言われたら非常に魅力的に感じますよね。
ところが利回りはその中身が大切です。多くの場合は利回りという言葉の他に「表面利回り」という言葉が使われたりします。この表面利回りというのは簡単に言うと、賃貸物件であれば賃料収入を購入価格や建設費で割っただけのものとなります。
そして、そこには本来出ていくはずの、税金や保険その他の管理費、修繕費等の経費や利息も含まれていないことが多くなっています。不動産を所有して収益をあげていく場合、収益にかかる税金(所得税)の他に、固定資産税等の所有しているだけでかかる税金がかかってきます。このあたりは株式や債券や預貯金と違う点ですね。
さらに不動産の場合は、管理をするのにも費用がかかってきますし、普通にしててもメンテナンス等の費用がかかってきます。これらを計算していくと、あっという間に利益は飛んで行って、借入の利息を払ったらほとんど残らなかったという話になりかねません。
そういった意味では表面利回りではなく、家賃収入から諸経費を差し引いた実質利回りでその物件の収益を計算するのが賢明ですし、賃料収入から経費を差し引いたキャッシュフローがプラスの物件を購入しないと当然ながら収支は赤字となり、ローンなどの返済で自己資金から持ち出すということになってしまいかねません。
また、賃料等の設定ですが、さすがに一昔前のように年々賃料が上がっていくといったような設定をすることはなくなったとは思いますが、設備投資をしなければ一般的に賃料は下がっていくものです。よくて横ばい、長い間をかけて下がり続けるのが普通ぐらいに考えておかないといけません。
それに空室のリスクなども考えておかないといけません。ほとんどのシミュレーションでは、その時点でその会社が手掛けた物件のデータからという名目で意図的に非常に甘い見通しに基づいていることが少なくありません。もっとも、とにかく営業成績を上げたいセールスマンからしたら当然の行為かも知れません。
まとめ
今回は不動産投資における利回りとキャッシュフローについて書きましたが、これらのことについて、仮に10年後に相手に説明と違うと言ったとしても間違いなく取り合ってくれないでしょうし、当然ながら全て自己責任となります。
ですので物件を購入する際には特に利回りとキャッシュフローに注意して慎重に検討したいものですね。