インバウンドと言う言葉を耳にされたことはあると思います。ここ数年、ニュースや情報番組などでも、国内の景気や経済の状況について語られる時には必ずといっていいほどこの「インバウンド」という言葉が出てきます。今さら改めてその意味を聞けない言葉の一つかもしれません。そこで今回はインバウンドについて書いて行きたいと思います。
インバウンドとは?
インバウンドという言葉は日本にやってくる外国人観光客のことを指す言葉です。インバウンドの反対は、アウトバウンドで海外への旅行者のことをいいます。
どうしてこのインバウンドという言葉が大きく取り上げられるようになったかというと、2010年頃から訪日観光客の増加傾向が続いているためです。この背景には、政府が「観光立国」を掲げて2003年より展開した「ビジット・ジャパン・キャンペーン」に基づいたビザの発給要件の緩和といったものもありますが、アベノミクスによる円安への移行、格安航空会社(LCC)の就航拡大といったことが挙げられています。そういった意味では特に2020年の東京オリンピックへ向けての国策と言っても良いでしょう。
インバウンドが経済に与える影響や消費
そしてインバウンドが日本経済に与える影響は大きなものがあると言われていて、デフレと消費の低迷等によって低迷していた日本経済には、インバウンドによる需要・消費は大きな影響を与えていると言えるでしょう。特に中国人観光客などによる「爆買い」という言葉に代表されるように、「大量の物品を買って帰る。」という消費活動は日本経済を下支えしているとも言われていました。
さらに、国別のインバウンド消費の状況を見てみると、2014年統計では1位が中華人民共和国、2位が台湾、そして3位が大韓民国でした。特に毎年、春節という中国の行事の時期には多くの訪日客が日本を訪れています。1人当たりの消費額では、ベトナムが1位、中国が2位、オーストラリアが3位となっています。
現在のインバウンドの状況
そしてインバウンドは3段階に分けられると言われています。最初は、2003年頃から政府主導で行われた訪日観光客の増加、第2段階が2014年頃からの爆買い状況、そして2016年頃から始まる現在は、第3段階の「コト・体験消費」にあると言われています。
今回はインバウンドについて書きましたが、空港や駅などのターミナル以外でも小売店舗や観光地の案内で、日本語・英語以外に、中国語やハングルなどが見かけるようになり随分と経ちました。もはやそれらも含めて、インバウンドというのは特殊なことではなくなったのかも知れませんし、今後どのようになっていくのか注目したいところです。